久下氏は元々人物画に天才を認められている画家ですが、いわばその応用編として人々のなりわいや人間味を豚という豊かな生き物の姿を借りて描くことを 20数年も前から試みていました。『猫』以前からとりかかり、長年あたためていたテーマなので、「秘蔵のシリーズ絵画」というわけです。ニューヨーク に移り住んで25年余り、すっかり根を下ろした感のある今、この街の営みを豚の姿を借りて描くことに改めて取りかかることにしました。巧みな筆致と豊かな色彩構成が描き出すのはウイットとペーソスにあふれたマンハッタンに暮らす人々の人間味そのものです。 「マンハッタン・ヒューマニティ」では、作品世界の全ての要素、即ち、ウイットやペーソスという情緒性や暮らしと街が織り成す色彩やリズムを余すとこ ろなく商品上に結実させることを目指します。先輩ブランドの「マンハッタナーズ」では、作品世界の共有ということを大事にして、商品に作品をどう再現するかということが主要なテーマになっていますが、この「マンハッタン・ヒューマニティ」は、作品のエッセンスや気分を商品に立体的に生かすことを試してまいります。実現したいのは、「ファッショナブルで個性的で意匠性と創造性の高い」商品世界です。ご期待ください。